止まり異形穴の形彫り放電加工|四角穴・特殊形状・高硬度材

「四角い穴を加工したいが、貫通させられない」
「相手部品に合わせた特殊な穴形状が必要」
「エンドミルでは内角に大きなRが残る」
このような、底を残す異形穴=止まり異形穴では、入口の輪郭だけでなく、深さ方向の形状も考慮して加工方法を選ぶ必要があります。
阪神精工では、形彫り放電加工を活用し、四角穴・D形穴・特殊輪郭などの止まり異形穴について、図面から加工可否と工程を検討します。焼入れ後の高硬度材への追加工もご相談ください。
止まり異形穴は、輪郭と底面をセットで確認
止まり異形穴には、次のような形状があります。
- 四角穴・長方形穴
- D形穴
- 切欠きを持つ異形穴
- 深さ方向に段差を持つ穴
- 部品独自の特殊輪郭穴
同じ入口形状でも、底面が平らなのか、段差があるのか、一部分だけ深いのかによって加工内容は異なります。
上から見た輪郭と、断面図で示す深さ・底面形状をセットで確認することが重要です。
貫通穴と止まり穴で加工方法を使い分け
異形穴の加工では、貫通の有無が加工方法を選ぶ基準の一つになります。
| 加工したい形状 | 主な検討方法 |
|---|---|
| 貫通した異形穴・角穴 | ワイヤーカット放電加工 |
| 底を残す異形穴・凹形状 | 形彫り放電加工 |
| 工具が届き、内角Rを許容できる底付き形状 | マシニング加工 |
通常のワイヤーカットは、ワイヤ電極を通して輪郭を切断するため、貫通形状が基本です。底を残す異形穴では、形彫り放電や切削加工などを検討します。
「四角穴だから放電加工」と決めるのではなく、貫通の可否・内角R・深さ・材質・要求精度から加工方法を選定します。
内角Rを小さくしたい場合の形彫り放電
エンドミルによる加工では、内側の角に工具径に応じたRが残ります。相手部品の角形状によっては、そのRが干渉する場合があります。
形彫り放電加工は、切削工具では形成しにくい小Rや特殊な凹形状を加工する方法として候補になります。
ただし、形彫り放電でも、指定にかかわらず完全な角を作れるわけではありません。 電極の角形状、放電ギャップ、電極消耗などを考慮し、内角Rと公差を確認して判断します。
相手部品とのはめ合いや逃げ形状に指定がある場合は、あわせてお知らせください。
電極形状と深さ方向の構造を検討
形彫り放電加工では、加工したい凹形状に合わせた電極を製作し、ワークとの間に放電を発生させて材料を除去します。
そのため、電極の検討には入口輪郭だけでなく、次の情報も必要です。
- 穴の深さ
- 底面の段差・凹凸
- 深さ方向の断面変化
- 側面や底面のR
- 加工位置と基準
途中で断面が変わる形状では、電極が入口から進入できるか、周囲と干渉しないかも確認します。内部が入口より広がる形状などは、通常の進入方向だけで加工できるとは限りません。
複雑な形状は、断面図や3D CADデータをご提供ください。
深い止まり異形穴では加工くずの排出も重要
開口部が狭く、内部が深い穴では、加工くずの排出や電極消耗が加工の安定性・形状精度に関わります。
同じ輪郭でも深さが異なれば、必要な電極や加工条件、工程が変わる場合があります。
穴幅・深さ・底面形状・要求公差・表面粗さを確認し、加工方法を検討します。形彫り放電であれば任意の深さまで加工できる、というものではありません。
高硬度材・焼入れ後の追加工
形彫り放電加工は、刃物で直接材料を削る方法ではなく、放電によって材料を除去します。電気を通す高硬度材や、焼入れ後の鋼材でも加工方法の候補になります。
「焼入れ後に異形穴を追加したい」
「硬さと底付き形状が重なり、切削加工が難しい」
といった場合も、材質・熱処理・硬度・加工形状を確認して判断します。
追加工では、既存の穴や基準面との位置関係、保持できる部分、現在の加工状態もお知らせください。
ご相談・お見積りに必要な図面情報
| 確認項目 | ご提供いただきたい内容 |
|---|---|
| 材料・状態 | 材質、熱処理、硬度、現在の加工状態 |
| ワーク寸法 | 部品全体の寸法、穴下に残す底厚 |
| 穴形状 | 平面輪郭、穴深さ、断面図、底面形状 |
| 形状の詳細 | 内角R、底R、途中の段差・断面変化 |
| 基準・精度 | 穴位置、基準面、寸法公差、表面粗さ |
| 製作条件 | 数量、希望納期 |
特に、穴を上から見た形だけでは、内部形状を判断できない場合があります。 深さ・底面・段差が分かる資料をあわせてご提供ください。
貫通できない特殊形状の穴加工をご相談ください
阪神精工では、形彫り放電加工に加えて、ワイヤーカット・細穴放電・マシニング・研削などの設備を保有しています。
四角い止まり穴、特殊輪郭の底付き穴、高硬度材への追加工などについて、図面から加工方法を検討します。
入口形状・深さ・底面形状・材質・要求精度が分かる資料を添えて、お問い合わせください。


