ワイヤーカットの加工時間はどれくらい?|納期を左右する条件|阪神精工

「この形状をワイヤーカットで加工すると、何時間かかるのか」
「部品は小さいのに、なぜ加工に時間が必要なのか」
「希望する日までに納品してもらえるか、相談したい」
ワイヤーカットの加工時間は、加工距離、板厚、材質、形状、要求精度、仕上げ回数などによって変わります。
部品の大きさだけでは判断できず、同じ輪郭でも、板厚や仕上げ条件が異なれば必要な時間は変わります。また、機械で加工する時間と、ご依頼から納品までに必要な日数は同じではありません。
阪神精工では、図面・CADデータ、数量、材料の状態、希望納期を確認し、加工可否と納期を個別に検討します。
加工時間と納期は、分けて考えることが大切です
加工時間とは、主に機械で切断や仕上げを行う時間です。
一方、納期を検討する際は、加工以外の工程や、設備の稼働予定も確認する必要があります。
| 項目 | 主な内容 |
|---|---|
| 加工時間 | 荒加工、仕上げ加工など、機械上で加工する時間 |
| 準備・段取り | 図面確認、プログラム作成、固定、位置合わせ |
| 前後の工程 | 材料手配、スタート穴加工、必要な後加工など |
| 検査・出荷 | 寸法確認、必要書類の準備、梱包、発送 |
| 日程調整 | 他案件との工程調整、材料や支給品の到着待ち |
例えば、機械での加工が比較的短時間で終わる形状でも、材料の入荷や前加工が必要であれば、その分の日数を確認します。
「加工が終わる日」「出荷日」「お客様の手元に届く日」も区別して相談することが重要です。
ワイヤーカットの加工時間を左右する条件
1.加工距離
ワイヤーが切り進める経路が長くなると、ほかの条件が同じであれば、加工時間も長くなる傾向があります。
外形が小さな部品でも、複雑な輪郭や多数の穴がある場合は、合計の加工距離が長くなります。
そのため、外形寸法だけでなく、どの輪郭をどこまで加工するかが分かる図面が必要です。
2.板厚・加工高さ
同じ平面形状でも、板厚が変われば加工する範囲や条件が変わります。
厚物加工では、加工液の流れや板厚方向の形状を考慮する必要があり、薄板と同じ速度を前提にはできません。
一方、薄板でも、細い部分や変形しやすい形状では、固定方法や加工順序の検討が必要です。
3.材質と材料の状態
鋼材、ステンレス、超硬合金など、材質によって適した加工条件は異なります。
熱処理の有無、材料内部の応力、すでに加工された箇所の状態なども、工程を検討するうえで確認したい情報です。
「硬い材料なら一律に何倍の時間が必要」といった判断はできません。材質、板厚、形状、要求精度を合わせて検討します。
4.要求精度と表面粗さ
切り離すことが主な目的の加工と、厳しい寸法公差や滑らかな加工面が必要な加工では、求められる仕上げが異なります。
必要に応じて、荒加工後に同じ輪郭を仕上げ加工し、寸法や加工面を整えます。このため、完成条件によって機械上の加工時間が変わります。
メーカーの加工事例でも、板厚や加工回数、加工時間は条件ごとに示されています。別の図面に、その時間をそのまま当てはめることはできません。
5.仕上げ回数
ワイヤーカットでは、1回で切り抜いて終了する場合もあれば、要求に合わせて複数回加工する場合もあります。
ただし、2回目以降は最初の加工と取り代や条件が異なるため、「加工回数が2倍なら、時間もそのまま2倍」とは限りません。
必要な仕上げ回数は、材質、板厚、公差、面粗さ、形状などから検討します。
6.小R・細溝・連続するコーナー
小さな内角R、細い溝、複雑に連続するコーナーなどは、形状に応じた加工条件の調整が必要になります。
三菱電機も、段取りや板厚による調整、小さなコーナーやコーナーが連続する形状での条件調整を、加工上の課題として挙げています。
直線が多い単純形状と、コーナーが連続する形状では、加工距離が同じでも時間が異なる場合があります。
7.穴数と加工開始箇所
1つの連続した輪郭を加工する場合と、離れた複数の穴を加工する場合では、必要な作業が変わります。
内部形状では、スタート穴、ワイヤーの結線、加工箇所間の移動なども確認します。
「小さな穴だから短時間」とは限らず、穴数や配置を含めて検討する必要があります。
数量が増えると、加工時間はどう変わる?
同じ部品を複数個製作する場合、プログラムや一部の準備工程を共通化できることがあります。
ただし、個々の部品の加工、位置合わせ、測定などは必要になるため、1個の加工時間だけで全体の日程を判断することはできません。
また、重ね加工の可否や、複数個をまとめて固定できるかは、板厚、形状、公差などによって異なります。
お見積り時には、今回の数量に加え、試作後の追加予定があればお知らせください。
「機械の加工時間」だけでは納品日が決まらない理由
加工前には、図面の確認や不明点の解消、材料の準備、加工プログラムの作成、段取りなどが必要です。
加工後にも、寸法確認や必要な後工程、梱包・発送があります。
支給品の場合は、いつ材料が到着するか、加工基準に使う面が仕上がっているか、スタート穴が必要かによっても工程が変わります。
そのため、納期の相談では、**「いつ依頼できるか」だけでなく、「いつ材料と確定図面をそろえられるか」**も重要になります。
希望納期がある場合に、お知らせいただきたいこと
必要なのは出荷日か、到着日か
「金曜日まで」という場合でも、金曜日の出荷でよいのか、金曜日の朝から使用するのかで条件が異なります。
使用開始日が決まっている場合は、到着希望日や受け取り可能な時間帯もお知らせください。
全数が同じ日に必要か
複数個のうち、評価用の1個だけ先に必要な場合は、その事情も共有してください。
分納などを検討するための情報になります。ただし、対応できるかは工程と稼働状況を確認して判断します。
変更できない条件と、相談できる条件
材質、公差、数量、納期などの必須条件を明確にしてください。
機能に影響しない形状や、一部の数量・日程について調整可能な範囲があれば、あわせてお知らせいただくと検討しやすくなります。
納期確認を進めやすくするための準備
急ぎの案件では、必要な情報をまとめてお送りいただくことが、確認の往復を減らすポイントです。
- 最新版の図面・CADデータを用意する
- 加工する箇所を明確に示す
- 材質・板厚・熱処理状態を記載する
- 公差・面粗さ・内角Rを確認する
- 支給品の到着予定日を伝える
- 必要数量と到着希望日を伝える
- 検査成績書や後工程の要否を伝える
CADデータだけでは、公差や面粗さなどの完成条件が分からない場合があります。可能であれば、寸法・注記入りの図面も添付してください。
加工時間・納期のご相談に必要な情報
| 項目 | お知らせいただきたい内容 |
|---|---|
| 図面・CADデータ | 輪郭、寸法、断面、加工範囲 |
| 材質・熱処理 | 材質記号、焼入れの有無、硬度 |
| ワーク寸法 | 外形、板厚・加工高さ |
| 要求条件 | 寸法公差、内角R、面粗さ |
| 数量 | 全体数量、先行して必要な数量 |
| 支給品 | 現在の状態、到着予定日 |
| 希望納期 | 出荷希望日または到着希望日 |
| その他 | 後工程、検査書類、分納の可否 |
ワイヤーカットの加工時間・納期は阪神精工へご相談ください
ワイヤーカットの加工時間は、加工距離や板厚だけでなく、材質、形状、要求精度、仕上げ回数などによって変わります。
納品までの日数については、材料の準備、段取り、検査、設備の稼働予定も含めて検討する必要があります。
阪神精工では、単品・試作・小ロットのワイヤーカット加工について、図面と希望条件を確認し、加工可否・お見積り・納期をご案内します。
「この形状はいつまでに製作できるか」「評価用の1個を先に手配したい」など、図面・数量・希望納期を添えてご相談ください。


