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黄銅C3771の止まり角穴加工|□20H8・深さ36mmの形彫り放電加工

黄銅C3771の止まり角穴加工|□20H8・深さ36mmの形彫り放電加工
黄銅C3771のメス部品に、□20H8・深さ36mmの止まり角穴を追加工。既存の丸穴との中心合わせと、支給オスとの組み合わせを重視しました。

角穴の寸法だけでは、はまらない。最初の位置出しが、最後の組み合わせを左右する加工です。

鍛造用黄銅C3771のメス部品に、形彫り放電加工で止まり角穴を追加した事例をご紹介します。

加工寸法は**□20H8(+0.033/0mm)、深さ36mm**。支給されたオス部品に対し、片側0.01mmの寸法差を目標に加工しました。

今回、寸法とともに重視したのが、角穴の奥にある既存の丸穴と、角穴の中心を合わせることです。角穴の大きさが合っていても、基準穴との中心がずれていれば、相手部品が狙いどおりにはまりません。

加工前の位置出しを慎重に行い、加工後は支給オスを実際に組み合わせて、はまり具合を確認しました。

加工概要

項目内容
材質鍛造用黄銅 C3771
数量8個
加工方法形彫り放電加工
加工内容メス部品への止まり角穴の追加工
角穴寸法□20H8(+0.033/0mm)
加工深さ36mm
中心合わせの基準角穴の奥にある既存の丸穴
相手部品との寸法差片側0.01mmを目標に加工
組み合わせの確認支給オスを実際にはめて確認
加工時間今回の実績で1個あたり約5時間

※片側0.01mmは狙った寸法差です。実測値や、許容される中心ずれを示すものではありません。

奥に丸穴がある、深さ36mmの止まり角穴

角穴部分は深さ36mmで止まり、その先へ既存の丸穴が続く構造です。この丸穴を基準に、角穴の加工位置を合わせました。

今回の加工箇所は、四角い穴の奥に既存の丸穴がある構造です。

角穴部分は深さ36mmで止まり、その先へ丸穴が続いています。四角い形状が貫通しているわけではなく、かといって底面全体が閉じているわけでもありません。

「止まり角穴」「止まり四角穴」「底付き角穴」といった加工では、穴の幅と深さだけでなく、底部の形状や、奥につながる穴の有無も確認します。

今回の追加工では、その奥の丸穴が中心合わせの基準でした。角穴を単独で仕上げるのではなく、すでに加工されている穴との位置関係をそろえる必要がありました。

難しかった点|角穴の寸法と中心位置を両立すること

今回指定された□20H8の寸法範囲は、20.000~20.033mmです。その範囲を守りながら、支給オスとの寸法差を片側0.01mmにすることを狙いました。

ただし、穴の大きさを合わせることと、穴の中心位置を合わせることは、別の課題です。

角穴の寸法が適切でも、基準穴に対して中心がずれると、相手部品との組み合わせに支障が出ます。はまりにくいからといって角穴を大きくすれば、図面の寸法要求から外れてしまう可能性があります。

そのため今回の加工では、次の二つを同時に満たす必要がありました。

  • 指定された寸法範囲で角穴を仕上げること
  • 既存の丸穴を基準に、相手部品がはまる位置へ加工すること

単に四角い穴をつくるだけでなく、組み合わせる部品との関係まで考えた追加工です。

現場で重視した点|加工前の位置出し

阪神精工が今回特に重視したのは、加工を始める前の位置出しです。

基準となる丸穴の中心に対して、角穴をどの位置へ加工するか。最初の位置決めが、その後の組み合わせを左右します。

加工を進めた後で中心のずれが分かっても、取り除いた材料を元へ戻すことはできません。そのため、既存の丸穴を基準に加工位置を合わせる段取りが欠かせませんでした。

形彫り放電加工では、加工形状に対応した電極を使用します。今回も角穴加工用の電極を用い、必要な形状を、必要な位置へ加工することを意識して作業しました。

今回の角穴加工に使用した電極。現場では加工時の熱による酸化が普段より強く見られ、加工後の表面にも強い変色が残りました。

加工方法や対応する形状については、形彫り放電加工のサービス案内をご覧ください。

加工後は、支給オスとの組み合わせを確認

片側0.01mmの寸法差を目標に加工し、加工後は支給オスを実際にはめて確認しました。0.01mmは目標値であり、実測値や中心ずれの公差ではありません。

加工後は、支給されたオス部品をメス部品へ実際にはめて、組み合わせを確認しました。

今回のように、角穴と基準穴の位置関係が関わる部品では、角穴の寸法だけでなく、実際の相手部品とのはまり具合も確かめます。

なお、現物による組み合わせ確認と、図面で指定された寸法・幾何公差の測定は別の確認です。数値による検査が必要な項目については、ご依頼時に検査方法や提出資料を含めて確認します。

相手部品がある追加工では、図面に加えて現物をご支給いただくことで、組み合わせの状態まで確認しやすくなります。

黄銅C3771への放電加工|今回は1個あたり約5時間

阪神精工の加工経験では、黄銅への放電加工は、SS材などに比べて加工時間が数倍かかる場合があります。

今回のC3771製部品も、1個あたり約5時間の加工時間を要しました。

これは今回の形状・加工条件における実績であり、黄銅の加工がすべて同じ時間や倍率になるわけではありません。材質に加え、加工深さ、除去する範囲、要求精度などによって必要な時間は変わります。

見た目が単純な四角穴でも、深さ36mmの加工と、支給オスとの寸法差、基準穴との中心合わせを併せて考える必要がある案件でした。

よくある質問

奥に丸穴があっても、止まり角穴の加工は相談できますか?

はい。今回のように、角穴部分が指定の深さで止まり、その奥に丸穴が続く形状もご相談いただけます。底部の形状や既存穴との位置関係を確認するため、断面図や追加工前の写真もお送りください。

相手部品に合わせて、メス側だけを追加工できますか?

今回の事例では、支給されたオス部品に合わせてメス側へ追加工しました。加工可否は、支給品の状態、材質、残っている加工代、寸法公差などを確認して判断します。

片側0.01mmの寸法差であれば、必ずはまりますか?

寸法差だけでは判断できません。基準に対する位置関係や部品の形状も関わります。今回の片側0.01mmは加工の目標値であり、加工後に支給オスとの組み合わせを確認しました。

止まり角穴・基準穴に合わせた追加工をご相談ください

「既存の丸穴を基準に、止まり角穴を追加したい」

「支給するオス部品に合わせて、メス側を加工したい」

「穴の寸法だけでなく、中心位置も合わせる必要がある」

このような加工では、完成形状の図面と、追加工前の状態が分かる資料をお送りください。

次の情報があると、加工可否やお見積もりの検討を進めやすくなります。

  • 材質・数量
  • 角穴の寸法・深さ・公差
  • 中心合わせの基準となる穴や面
  • 相手部品との必要な寸法差
  • 相手部品の支給可否
  • 希望納期・検査要求

阪神精工は、兵庫県神戸市を拠点に、支給品への追加工や形彫り放電加工のご相談を承っています。遠方のお客様も、図面データと運送会社による部品のやり取りでご相談いただけます。

図面を添付して、加工相談・見積もりを依頼する

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